セクハラ被害にあったら、誰に助けを求めるべきか?
[1]加害者をどうにかしてほしい
- 会社による解決:社内の相談窓口を経て、会社内の手続による解決(配置転換、加害者の処分、被害の回復等)を求める。
- 会社が相談窓口を設置して適切に対処する義務を負うことは、均等法11条及び「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」に規定されている。
- 会社が適切な対応をしてくれない場合には、後述 [2] 1.のルートへ。
- 第三者による解決:民事訴訟(悪質な行為については告訴するかどうかを相談する)
[2] 会社(事業主)の対応をどうにかしてほしい
- 都道府県労働局の雇用均等室に相談して、労働局長による指導などを求める(均等法17条1項)。
- 調停案・あっせん案を第三者に示してもらう
- (a) 紛争調整委員会(調停会議)による調停(均等法18条1項):各都道府県の労働局雇用均等室に申請
- (b) 都道府県労働委員会によるあっせん(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律20条3項):各都道府県の労働委員会に申請(一部の大きな都道府県では実施していない)
- 労働審判(労働審判法)の申立てをする。
迅速審理で柔軟な解決。主張及び証拠の準備が整っている必要あり。審判について異議の申立てをすれば訴訟に移行。弁護士への依頼が原則として必要。
- 民事訴訟
上記[1][2]の手続は、「職場」によって使える範囲が異なるので注意。
- 上記[1][2]の「会社」には、民間の会社・法人のほか、地方公共団体も含む。
- 大学等の教育現場で学生が被害者になった場合には、[2]が使えない(学生は労働者ではないため、労使紛争にならない)
- 地方公共団体の職場では、上記[2]の1. 2.(a)は使えず、人事委員会等を利用することになる。(例)北海道人事委員会、札幌市人事委員会、京都市セクシュアルハラスメント調査委員会
- 国家公務員の職場については均等法ではなく人事院規則の適用となるが、基本的な仕組みは同じ。地方公務員と同様に[2]の1. 2.(a)も使えない。国の各府省庁が持つセクシュアル・ハラスメントに関する規程・訓令等は、イントラネットでしか入手できないが、総務省「国の行政機関の法令等遵守態勢に関する調査結果」(H21.3.27)の30-31頁に規程・訓令等の一覧がある。
- 国家公務員及び地方公務員の職場では原則として[2] 2.(b)も使えない(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律22条)。
女性専用の相談窓口
都道府県レベル及び市レベルで、女性専用の相談窓口が設けられているところがある。(例)札幌市男女共同参画センター(女性のための仕事の悩み相談)、北海道立女性プラザ(女性弁護士による法律相談)、札幌弁護士会(女性弁護士による無料電話法律相談)
※ 本頁は、2015年度演習授業の成果の一部として公表する情報です。
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