雑索で判例評釈を



国立国会図書館のサイトにある、

[★]http://opac.ndl.go.jp/
    (NDL-OPAC 国立国会図書館 蔵書検索・申込システム)

の中の「雑誌記事索引」(雑索)を使って、判例評釈を検索してみます。


(1) 「論題名」の欄に、判例評釈を探したい判決・決定の日付を半角数字で入力します。年月日の区切りは不要です。

ここでは、最高裁平成18年7月13日第一小法廷判決(裁判所時報1415号10頁)の評釈を探してみることにします。元号(18713)と西暦(2006713)の両方で入力します。


(2) 「論題名」欄の右にある演算子のプルダウンメニューで「AND」を「OR」に変更します。これで、元号と西暦の両方で検索されることになります。


(3) 下の方の「雑誌記事ID」となっているところのプルダウンメニューの中から「記事種別」を選択します。

(4) 「記事種別」とした右横の欄に半角数字で「8」と入力します(欄の右横の「リストから選択」ボタンを押すと、別ウインドウが開いて一覧が表示され、8が「判例研究」であることが分かります)
(5) 一番上の検索対象期間の指定を確認して、検索ボタンをクリックします。


2件ヒットしています(『民事法情報』掲載分は匿名のコメント)


詳細表示を見てみると、「記事種別コード」が「判例研究」であることが分かります(水色でマークしてある部分)。雑索でも、判例研究という分類で雑誌記事を収集しているのです。

雑索は、以前は採録対象を最高裁判例についての判例評釈に限定していましたが、1996年からの採録範囲の拡大により、現在は下級審判例についての評釈も収録されています。

雑索に判例評釈が収録されているといっても、雑索に判例評釈検索のための特別の機能があるわけではありません。この方法は、一般に判例評釈の論題名には判決・決定の年月日が含まれている場合が多い、ということを利用した便法に過ぎません。

それでも、雑索には、(a)インターネットに接続できる環境にあれば誰でも無料で利用できる、(b)情報の更新頻度が高い(最新の評釈を検索する能力は、専用の判例データベースより優れている)、という魅力があります。

ちなみに、2006年12月20日時点では、「LEX/DBインターネット」では本判決について判例評釈は1件も表示されません(つまり、「判例体系」でも「法律時報文献月報検索サービス」でも評釈は発見できないということです)

上記の手順(1) で裁判所名を入力しなかったのは、同日の裁判例についての評釈で雑索に収録されているものはそう多くないと思われるので、手数を減らしたものです。しかも、上の2つの評釈を見比べても分かるように、裁判所名の表記方法は一定していませんから、裁判所名を入力すると却って漏れが生じるおそれがあります。

なお、雑索には、原則として2頁以下の記事は収録されません。例外として「ジュリスト」「法律のひろば」「法学教室」「法学セミナー」に掲載された判例評釈は2頁以下でも採録されますが、「ジュリスト」の別冊や臨時増刊号については、現在は、個々の評釈は採録されず、1本で「まとめ取り」しているとのことです(たとえば、ジュリスト1269臨時増刊「平成15年度 重要判例解説」1〜295p、という情報だけが収録されている。ただし、データ入力時期によって差異がある)。つまり、百選や重判に掲載された評釈は検索できないということです。

*ここに記載した方法は「たまたま上手くいった」という程度のものであり、国立国会図書館に確認をとったわけではありません。
*雑索における判例評釈の採録方法について、國學院大學法科大学院ライブラリアンの島亜紀さんから御教示をいただきました。



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