憲法的探見記 国会議事堂編

探見日:2007年5月19日



国会議事堂に向かいました。場所は、ここです。
議事堂正面の、中央塔にある中央玄関。「天皇陛下をお迎えするとき、衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙の後に召集される国会に議員が初登院するとき、外国の国賓をお招きしたときに使用されます。それ以外、普段はこの扉を開くことがないことから「あかずの扉」といわれています」(参議院「国会議事堂案内」)。この中央玄関から議事堂に入ります。

 

「ブロンズ製で、1枚の重さが1.1トンあります」という「あかずの扉」から議事堂内に入り、階段を上って、中央広間に向かいます。

中央広間の四隅には、「議会政治の基礎を作るために功労のあった板垣退助、大隈重信、伊藤博文の銅像」があります。銅像の「議席」は定数4、残る1枠は未定で、台座だけが用意されています。

中央広間の正面から真っ直ぐに登っていく階段があります。

 

この中央階段の上部は、このようになっています。

階段を昇りきった突き当たり(3階)にあるのは、御休所です。「開会式の当日、陛下は議事堂にお着きになると、まずこちらにお入りになります」。

御休所の前から中央階段・中央広間の方向を見ると、こういう感じです。

御休所前広間。御休所の隣(向かって左側)にあるのが皇族室です。

御休所や皇族室があるのは国会議事堂の真ん中の中央塔の3階です。議事堂は、向かって左が衆議院、右が参議院になっています。御休所前広間から廊下を参議院側に進むと、参議院議場の皇族席の入口があります。

 

皇族席の入口がある3階の廊下を挟んで、議場の反対側にあるのが、第一委員会室です。議事堂本館に6室、分館に10室設けられている委員会室の中で、第一委員会室は、議事堂本館では最も大きいものです。主に予算委員会が開かれます。

 

廊下から第一委員会室の入口へ。左の階段を昇ると、記者席の上段にあるカメラマン席に行けます。階段の右側の通路を進むと第一委員会室です。入ってすぐのところあるのは、記者席です。

 

振り向いて、先ほどの階段の下を見ると、電話室があります。議事堂内の内線電話とのことです。現在は携帯電話が普及したので、あまり使われないとか。

 

第一委員会室の内部です。見学者用の通路を作るため、机・椅子を寄せてあります。

 

壁の各面には、発言者に残りの発言時間を知らせる表示装置があります。また、速記者席には、4人分のイヤホンと時計が見えます。

   

天井の装飾と照明にも注目。

さきほどの記者席があったのとは反対側から出ると、喫煙場所があります。壁沿いの椅子は、見学者用の通路を作るために室内から移動したものと思われます。

第一委員会室前の廊下。上の画像の場所から出てきたところ。右上には、「第一委員会室」の表示がみえます(右の画像)。奥に見える人の列は、記者席側の入口から第一委員会室に入る見学者。

   

第一委員会室のある3階から2階に降りると、議長応接室があります。議場の議長席の背後に位置しています。議院運営委員会は、ここで開かれます。議長が外国の要人を迎えるのも、この部屋です。壁には、議会の名場面を描いた絵が。

  

  

議長応接室の両隣には、副議長応接室と事務総長室・秘書課があります。

 

さて、いよいよ、参議院本会議が行われる議場の入口に到達しました。

参議院議場は、国会議事堂の2階から3階まで吹き抜けになっています。議席への入口は2階になります。

  

見学者用の通路に沿った席には、透明プラスティックの保護カバーが付けられていました。「議席は演壇を中心にして半円形に460席配列されています。貴族院時代からの議場をそのまま使用しているため、議員数(242名)よりも多くの議席があります」。左(1つめ)の画像の手前にある、黒い名札の装着されていない席が、空席です。

  

議員が席につくと、横倒しになっている名札を立てます。名札を立てると、横倒しの名札の下に隠れていた押しボタン投票機が現れます。名札を立てると出席が感知され、連動して、押しボタン投票機が使用可能になるそうです。下の画像の通路際の空席(名札の無い席)を見ると、投票ボタンが見えます。

正面のほうを見てみましょう。「左右にはそれぞれ2列の席が設けられており、前列は国務大臣席、後列は事務局職員席です」。国務大臣席・事務局職員席の背後の壁に、押しボタン投票の投票結果表示盤があります。ホンモノの表示盤の下に、表示状況を模した紙が貼ってありました。

大臣席を覗き込んでみました。

「開会式の際、天皇陛下が臨席されるお席が正面中央にあり、その前に議長席演壇が、さらにその下に速記者席があります。議長席の隣は事務総長席」です。「開会式の際には議長席、事務総長席が取り除かれます」。

  

天皇陛下は開会式の際には菊の御紋の「お席」に臨席されますが、議席を挟んで反対側(3階中央)に「御傍聴席」があります。

さて、もう一度正面を向いて、速記者席に注目してみます。

  

速記者は頻繁に交代しますので、入れ替わりのための通路があります。議場を横切ることなく、演壇の両脇から議長席の下の方へ降りていくようになっています。

  

再び中央塔に戻ります。中央塔2階の奥に、院内閣議室があります。3階の皇族室の真下の位置にあります。国会会期中に院内で閣議が開かれるとき、この部屋が使用されます。

椅子と絨毯は、こういう柄です。

院内閣議室の隣には大臣室があります(御休所の直下)。院内閣議室で閣議が開かれる際、各大臣はいったんこの部屋に集まり、首相の到着を待つわけです。

  

院内閣議室の、大臣室とは反対側の隣には、総理大臣室があります。正面の黒っぽいドアが総理大臣室、左の2つはエレベータです。

左が総理大臣室、右が院内閣議室です。

この周囲には、秘書官室、内閣広報室、内閣記者会室などがあります。

  

この他にも、議事堂内には、いろいろな室がありました。上段左側の画像は、自由民主党総裁室です。

  

  

  

議事堂(中央塔と参院側)の主要な室を見てきました。「各室案内」の最上段のストロボの光が当たっている部分、「三階」は右から「御休所」「皇族室」「各傍聴席」「各委員会室」「第一理事会室」となっています。

選挙後に初登院するとき以外は、参院議員は参議院正玄関から出入りします。玄関には議員登院表示盤があり、登院したときに自分の氏名のボタンを押します。

    

  

さて、議事堂内で目についたものを御紹介しましょう。

  



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〈齊藤正彰@北海道大〉