憲法的探見記 朝日茂氏を尋ねる編

探見日:2019年6月



岡山駅から、JR瀬戸大橋線の快速マリンライナー高松行きに乗ります。

快速停車駅4つめ、10分ほどで早島駅に到着。

平日の昼下がり、十数人の降車客がありました。

それは、知りませんでした。

跨線橋を渡って出口へ向かいます。

駅前は、こぎれいに整備されているようです。

目指すのは、あの丘の上です。

あれです。

改札口を出ます。

現在は無人駅ですが、駅舎の構造に歴史を感じます。

すぐに「チッキ」の窓口を探してしまう人は、考え方を改めましょう。

駅前には、まだ電話ボックスがありました。

駅前広場に、早島町の観光案内図がありました。いろいろあるようですが、

県道185号線を真っ直ぐ行けばよいことを確認。
真ん中を縦に通っている太い道が、国道2号線です。

「特産 花ござまつり」だそうです。

駅前のバス乗り場から無料送迎バスがあることは分かっていましたが、
直行しては困るので、乗るわけにはいきません。
コミュニティバスもありますが、運行経路がよく分かりませんでした。

そのようなわけで、駅を背に、歩き始めました。
もう1本西側の道が「駅筋」と呼ばれる、元々の駅前通りのようですが、
分かりやすさ優先で、広い県道を行くことにします。

岡山では、用水路への転落事故が多いと聞きました。

県道が上り坂になります。まだ6月なのに、暑すぎます。
岡山大学の木下和朗先生から懇切な忠告をいただいていたのですが、考えが甘かったようです。
旅程の都合があるとはいえ、北海道から来てウロウロと屋外活動してはいけない時間帯でした。

坂道の向こうから走ってくるのは・・・

走り去るコミュニティバス。
コミュニティバスにありがちですが、駅前と終点を往復するのではなく、
一筆書きで地域を巡回しながら、駅前に戻ってくるような路線なのです。
この区間を、あのバスと逆向きに走るバスがあるわけではないようです。

下り坂になっても、自転車ではないので、とくに楽になるわけではありません。

ようやく、国道2号線の交差点まで来ました。

しかし、広くて交通量の多い国道2号線には、横断歩道はありませんでした。
そして、今は、あの歩道橋の階段を昇る力はありません。

病身をおして訴訟活動をされた朝日さんに比べると情けない話ですが、
国道の向こう側へ行く力はありません。残念ですが、前進は諦めます。

いったん、身体を冷却する措置をとります。

再起動して、歩道橋を乗り越えました。

道幅が狭くなりましたが、県道185号線の続きです。

瀬戸大橋のデザインでしょうか。マンホール趣味者の方にお任せします。

ついに、看板が見えました。

あそこにあります! コミュニティバスの停留所は見ないことにしましょう。

しかし、このような交差点の脇にあるとは思っていませんでした。

かつて、こういう写真を見たときは、もう少し違った場所を思い描いていました。



ついに、ここに来ました。

「人間裁判」 朝日茂 書

碑に向かって右下は「碑文」


左下は「人間裁判圣過」


周囲を回ってみます。

1968年2月建立

もし再訪することがあれば、遠回りでもいいからコミュニティバスに乗ろう。

さて、画像の右端、青いクルマが上っていくのが、国立病院機構 南岡山医療センターへの道です。

右が県道185号線です。左の道へ進みます。

南岡山医療センターは、昭和13年に設置された傷痍軍人岡山療養所が前身とのことです。

登ります。

ところで、コミュニティバスの停留所は「山川池」でした。

公園として整備されていますが、「人間裁判」の碑があるのは公園内ではありません。

「王山丘上に位置し、眼下に早島・興除・藤田、遥かに児島淡水湖を眺望する」病院の前から、バスに乗る計画です。

途中で、想定外の「身体冷却措置」を行ったために、予定がやや苦しくなっています。

この先、病院までどれくらいかかるのかは、よく分かりません。
確かなのは、バスの発車時刻まで、残り10分を切ったということです。

JR駅へのバスに乗り遅れたら、山の上で小一時間過ごすことになります。


時間の余裕がないので、通過します。

「正面玄関(外来受付)」と書いてある方に進みます。
「搦め手」から攻め上っているような感じもしますが、
国土地理院地図・空中写真閲覧サービスで空中写真を見てみると、

1969年の空中写真では、この道だけのように見えます。
「人間裁判」の碑がある位置が、当時は正面入口だったのでしょう。

1975年の空中写真では、西側への道ができています。
現在は、送迎バス・コミュニティバスも西側ルートを通っています。

この渡り廊下を朝日さんが通ったかどうかは、分かりません。

1948年の空中写真にも、この位置に渡り廊下のようなものが見えますけれども。

着きました! 発車2分前。

玄関前に乗り場がありました。発車時刻も間違っていませんが、バスの姿はありません。
多少不安になった頃、「バス」がやってきました。

丘を下って、少し寂しい駅前に到着しました。

JR山陽本線の中庄駅です。岡山まで各駅停車で12分ほど。
岡山と逆方向に行けば、隣の駅は倉敷です。

「病院バス」が着いたのと反対側の駅前は、少し賑やかなようです。



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〈齊藤正彰@北海道大〉