西ヨーロッパおよび東アジアの一部の国々は、今後20〜30年間にわたり世界で最も厳しい人口高齢化の過程を経験すると見られる地域である。人口の年齢構成の変化は経済および政府の政策の様々な分野に影響を及ぼすものと予想される。特に影響を受けるのは、支出が年齢に関係した政策、すなわち、ヘスルケア、社会的ケア、および最も直接的には年金政策である。年金は、公的、民間の別によらず、労働人口から引退者へ資源を移転する制度となっている。予想されるように、今後数十年間に年金生活者の現役労働者に対する比率が上昇するならば、年金制度は現行水準の分担金では同水準の給付提供は不可能になろう。おそらく、何らかの調整が必要となろう。
この背景に照らし、ワークショップには3つの主要目標がある。
1. 北アメリカ、ヨーロッパ、東アジアから選定した諸国との関連で、ここに概要を示す諸問題に関する現存する知見を収集・比較すること
2. 利用できる情報が欠落している分野を特定し、これらの欠落分野の少なくとも一部を埋めることを目指す共同研究推進計画を検討すること
3. 人口高齢化に対する各国の反応を決定する(経済的、政治的、制度的および文化的)諸要因の理解に資すること