判例評釈サーチ



好評だった(?)「雑索で判例評釈を探す」という裏ワザも、現在は、うまくいきません。

かつては、こういうふうにできました。

いまは、「国立国会図書館サーチ」(NDL Search)のほうが、うまくいくようです。ただし、少々やりかたを変える必要があります。

国立国会図書館のサイトにある、

[★]http://iss.ndl.go.jp/#search-advanced
    (国立国会図書館サーチ[詳細検索])

を使って、判例評釈を検索してみます。



「タイトル」の欄に、判例評釈を探したい判決・決定の日付を半角数字で入力します。

ここでは、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号の合憲性が争われた、最高裁平成31年1月23日第二小法廷判決(判時2421号4頁)の評釈を探してみることにします。元号(31.1.23)と西暦(2019.1.23)の両方で年月日を入力します。

年月日の数字の間に .を打つ必要があるようです。そして、元号表示と西暦表示の間に「 or 」を入れます。

そして、「資料種別」のところで、「記事・論文」だけを選択します。複数のチェック・ボタンが全選択の状態になっていますので、いったん右端の「すべて選択/解除」ボタンを押して解除し、「記事・論文」をクリックするのが便利かもしれません。

「記事・論文」だけに絞り込むことは必須ではありませんが、無関係な検索結果を排除するのに有効です。



検索結果をみると、37件ヒットしています(2020.1.13現在)。



目的のものとは異なる記事も含まれていますが、他方、ヒット箇所の黄色のマークがないけれども関係のあるような文献もあります。



上掲の画像は、検索結果をデフォルトの「適合度順」で表示した場合の上位14件です。これ以降には、関係のある文献はありませんでした。

「国立国会図書館サーチ」の検索対象には、雑索のデータも含まれています。雑索は、以前は採録対象を最高裁判例についての判例評釈に限定していましたが、1996年からの採録範囲の拡大により、現在は下級審判例についての評釈も収録されています。

「国立国会図書館サーチ」で判例評釈が検索できるといっても、「国立国会図書館サーチ」に判例評釈検索のための特別の機能があるわけではありません。この方法は、一般に判例評釈の題名には判決・決定の年月日が含まれている場合が多い、ということを利用した便法に過ぎません。

それでも、「国立国会図書館サーチ」には、(a)インターネットに接続できる環境にあれば誰でも無料で利用できる、(b)情報の更新頻度が高い(最新の評釈を検索する能力は、専用の判例データベースより優れている)、という魅力があります。



同日にLEX/DBで検索してみた結果、判例評釈情報は2件でした。「国立国会図書館サーチ」では、これに加えて、法時と民商の評釈情報を入手できました。

なお、雑索には、原則として2頁以下の記事は収録されません。例外として「ジュリスト」「法律のひろば」「法学教室」「法学セミナー」に掲載された判例評釈は2頁以下でも採録されますが、「ジュリスト」の別冊や臨時増刊号については、現在は、個々の評釈は採録されず、1本で「まとめ取り」しているとのことです(たとえば、ジュリスト1269臨時増刊「平成15年度 重要判例解説」1〜295p、という情報だけが収録されている。ただし、データ入力時期によって差異がある)。つまり、百選や重判に掲載された評釈は検索できないということです。

*ここに記載した方法は「たまたま上手くいった」という程度のものであり、国立国会図書館に確認をとったわけではありません。




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