Course Information
近代文明と世界秩序： 近代日本知識人の国際認識
金曜 10:30-12:00 （N232（演習室2）、初回のみE201 ）
西洋近代文明に対峙した19世紀後半の日本は、幕末維新期から外交では条約改正を課題としつつ、日清戦争、日英通商条約調印を経て、日露戦争で“列強”の一国と広く認知されるに至る。直面する一連の世界の構造的な変動を、近代日本の知識人たちはいかに捉えたのか。彼らはどのような理論的視座から、世界政治の現実をみていたのか。彼らの国際認識は、どのような歴史的意味をもち、さらに現代を生きる私たちの政治認識にいかなる示唆を与えるのか。近代日本の「古典」となっているテクストからその政治思想を学びとることが、この授業の課題である。
Readings
- 福澤諭吉『学問のすゝめ』（1872-1876）
- 福澤諭吉『文明論之概略』（1875） 抄
- 福澤諭吉『通俗国権論』（1878･1879）
- 福澤諭吉「脱亜論」（1885）
- 徳富蘇峰『将来之日本』（1886）
- 中江兆民『三酔人経綸問答』（1887）
- 徳富蘇峰『時務一家言』（1893） 抄
- 陸羯南『国際論』（1893）
- 幸徳秋水『帝国主義』（1901） など
上記のうち、岩波文庫に収録された『学問のすゝめ』『三酔人経綸問答』『帝国主義』の三冊は、各自購入のこと。
Reserve Reading List
- 丸山眞男『「文明論之概略」を読む』上・中・下（岩波新書、1986年）
- 岡義武『国民的独立と国家理性（岡義武著作集第6巻）』（岩波書店、1993年）
- Ｆ.マイネッケ（菊盛英夫・生松敬三訳）『近代史における国家理性の理念』（みすず書房、1960年）
- 坂本義和『国際政治と保守思想（坂本義和著作集第1巻）』（岩波書店、2004年）
- Fukuzawa Yukichi, Fukuzawa Yikichi's an Encouragement of Learning, translated by David A. Dilworth and Umeyo Hirano, (Tokyo: Sophia University, 1969).
- Fukuzawa Yukichi, An Outline of a Theory of Civilization, translated by David A. Dilworth and G. Cameron Hurst, (Tokyo: Sophia University, 1973).
- Fukuzawa Yukichi on Education, translated and edited by Eiichi Kiyooka, (Tokyo: University of Tokyo Press, 1985).
- Tokutomi Soho, The Future Japan, translated by Vinh Sinh, (Alberta: University of Alberta Press, 1989).
- Nakae Chomin, A Discourse by Three Drunkards on Government, translated by Nobuko Tsukui, (Boston: Weatherhill, 1984).
- Japan: a documentary history, edited by David John Lu, Vol. 2, (Armonk: M.E.Sharpe, 1997).
- Sources of Japanese Tradition, second ed. Vol.2, part two, (New York: Columbia University Press, 2006).
Recent Q Scores
学生による授業アンケートの平均値（総合評価）（北大授業評価室）
2010年度：4.45