先週、福田康夫首相と小沢一郎民主党代表による党首会談が二度にわたって行われた。福田首相の狙いは大連立にあったが、小沢代表がこれを拒絶して、一応この件は沙汰やみとなった。
当たり前の話である。民主党は政権交代を目指して参議院選挙を戦い、国民もこれを支持した。ここで窮地の自民党の懇願にほだされて、手を組むようであれば、それは小沢にとって政治的自殺を意味する。徹底的に自民党を追い詰め、解散総選挙に追い込むことこそ、民主党にとっての唯一の道である。
自民党は、国政の停滞を理由に民主党を連立に引き込もうとするであろう。しかし、そもそも福田政権は、その成立の経緯からしても、民主的な正統性を欠いているのであり、この政権で実体的な政策を決めてはならないのである。福田政権は選挙管理内閣になることこそ、民主主義の筋道である。
仮に次の総選挙で自民党が勝利しても、参議院の野党優位は続くのだから、いずれは大連立が必要になるという意見もあるだろう。しかし、総選挙で自民党が勝てば、直近の民意を反映するという点で強い正統性を持つので、参議院での野党の抵抗も弱くなるはずである。日本の政党政治のためには、大連立という談合を許してはならない。
防衛省や厚生労働省などに不祥事が相次いでいる今、国会は行政府に対して監視と責任追及を徹底することが求められている。その意味でも大連立は国会の自殺である。
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