自衛隊のイラク派遣に反対するビラを自衛隊員の宿舎に配布したことが住居侵入に当たるかどうかが問われていた裁判で、最高裁判所は4月11日に二審の有罪判決を支持する判決を出した。ふざけるなと言いたくなる。日本の裁判には常識は通用しないということがよく分かった。
我々の家の郵便受けには、毎日様々なチラシやビラが入れられている。役に立つのはピザ屋の割引券くらいだが、関係ないと思えば捨てればよいだけの話である。配る人はチラシを入れたらすぐに立ち去るわけであり、チラシを入れるために住宅の敷地に入ってくることを犯罪とみなすのは、どう考えても非常識である。
しかも、今回の事件では、検察がわざわざイラク派兵反対のビラを選んで摘発したのであり、きわめて恣意的な起訴と言わなければならない。憲法では法の下の平等が保障されているのである。チラシを配る人をすべて逮捕、勾留し、起訴しなければ、法の下の平等は達成されないはずではないか。検察の政治的弾圧を追認した最高裁の罪は重い。今の日本では司法の独立など、嘘っぱちである。
市民的自由の何たるかを理解しない最高裁の下で裁判員制度が導入された時に何が起こるのだろうか。市民が司法という名の人権弾圧に荷担しないよう、今から議論を起こす必要がある。
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