最近、「名ばかり管理職」裁判、インディーズ系労組のデモなど、労働や雇用をめぐる運動がようやく盛んになってきた。使用者のやらずぶったくりを止めさせるには、労働者が声を上げ、戦うしかない。特に、若者が働く権利を主張するようになったことには、大いに賛同、連帯のメッセージを送りたい。
そもそも、戦後教育を受けた日本人に権利意識が過剰だなどという議論は、権利の意味を理解しない連中の言う世迷いごとである。過労死するまで働かされ、サービス残業にも泣き寝入りする人が大半の世の中に、権利意識などあったものではない。働く者の権利意識が不足していることこそ、格差社会の一因である。
これと関連して注目したいのは、労働組合の頑張りである。長い間労働組合の組織率は低下を続け、労組は保守的な既得権集団とも言われた。しかし、組織率が20%を遥かに下回ると、労組の存在意義が問われてくる。個々の企業組合の利害を乗り越え、働く者の利益を追求するという労組本来の役割をここで思い出す時だ。
5月11日に新潟市で開催された労働サミットで、高木連合会長は非正規雇用の問題を真剣に取り上げようとしない日本政府にかみついたとのニュースがあった。それでこそ労働界のトップである。反転攻勢の先頭に立つ高木会長に拍手を送りたい。
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