このところ北京オリンピックの話題で新聞が占領されているが、その陰で政治については実に奇妙なことが起こっている。政府が9月に臨時国会を召集することは確実だが、その時期をめぐって政府与党内で議論が百出し、まだ結論が出ていない。
憲法では、内閣が臨時国会を招集することになっている。内閣の長である総理大臣が、この日に国会を開くと言えば、それですむ話である。臨時国会をいつ始めるかをめぐって1か月以上も議論が続くなどという事態は、首相不在を意味する。
国会をいつから、どのくらいの会期で開くかということは、景気対策のための補正予算の編成やインド洋での給油のための特措法の延長など、重要な政策課題と密接に関連するので、慎重に考慮しなければならない課題だろう。
それにしても、これらの国政上の課題について方針を決め、指示を出すためにこそ、総理大臣がいるはずである。自分の判断で国会も開けないようでは、首相の政治生命も終わりである。
子どもたちは夏休みの宿題を仕上げるのに必死になる時期である。首相は国政上の宿題をいつまでに、どのように仕上げるのか、国民に語るべきである。
安倍晋三前首相が突然政権を投げ出して1年になろうとしている。リーダー不在の悪夢が繰り返されるのだろうか。
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