先週は、アメリカ発の金融危機が世界を震撼させた。1929年のニューヨーク株式大暴落の悪夢を繰り返さないために、各国政府の必死の対策が必要である。
こうした状況においては、わが国の自民党総裁選挙が一層ちゃちで、ずれたものに見え、物悲しささえ覚える。総裁候補たちは、台風襲来で大嵐が吹き荒れている中、季節はずれの盆踊りを踊っているようなものである。世論もこの空騒ぎを冷ややかに眺めているようである。
この期に及んで改革継続を叫んでいる政治家の気が知れない。構造改革の本家アメリカでさえ、政府は金融危機の収拾のために膨大な公的資金の投入を決めた。小さな政府では危機を乗り切ることはできない。さらに今回の金融危機は、規制緩和や投機の放任がもたらしたものではないか。
恐慌が世界戦争につながった70年前の間違いを繰り返さないためには、アメリカのルーズベルト大統領が行ったニューディール政策を世界レベルで展開する必要がある。環境保全、食糧増産、新エネルギーの開発など、グローバル・ニューディールの課題は山ほどある。まさに今こそ政治の出番である。
日本も国内でちゃちな椅子取りゲームにうつつを抜かしている場合ではない。政治家の構想力が問われている。
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