麻生太郎氏が首相に就任したが、各紙の世論調査での支持率は50%を割っており、国民は新政権にそれほど期待していないようである。あの閣僚の顔ぶれを見れば、それも当然である。
二世、三世の不良中年に、若目の女性が色を添えたという程度のもの。チョイ悪中年を気取る麻生首相は、自分の好みで人選を行ったのだろうが、国政にまじめに取り組むという責任感が伝わってこない。不良仲間が政権にたむろしている印象しかない。実際、閣僚からは早速放言が飛び出し、自分たちの使命を誠実に果たすことよりも、政敵を攻撃するのが先だと彼らは考えているのだろう。
「売家と唐様で書く三代目」という川柳があるが、三代目麻生首相は、祖父吉田茂がその礎を作った日本の保守政党という家を売りに出す役回りなのであろう。母屋が傾くのを見越したように、小泉純一郎元首相はさっさと政界引退を表明した。こちらの心境は、「我が亡き後に洪水は来たれ」であろう。
長く続いた王朝が滅ぶ時というのは、こんなものであろう。逃げ出す利口もいれば、まだ権力が続くと思ってしがみつく愚か者もいる。期せずして、自民党の面々は大河ドラマを演じている。メークドラマは芸能やスポーツの世界だけで十分で、政治には取り組まねばならない問題があるのだが。
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