経済危機が深刻になれば、派遣村のような連帯の運動も起こり、政治や行政を動かす力も発揮した。日本の社会にもまだ希望はあると感じた正月であった。
1つ気になるのは、この種の課題について、既存の労組の動きが鈍いことである。正月のテレビ番組で、竹中平蔵、八代尚宏らの新自由主義者と討論した。最も腹が立ったのは、労働の規制緩和について、彼らが、正社員の既得権を奪い、労働市場を公平にするためだと強弁したことである。その理屈を推し進めれば、全労働者を日雇いのワーキングプアにすれば、最も平等な社会が出来ることになる。冗談ではない。
しかし、連合をはじめとする既存の大労組の動きの鈍さは、破廉恥な新自由主義者の言い分に根拠を与える効果を持つ。今は、働く者の生活の危機である。共産党系だろうが、連合系だろうが、この危機に当たってそんなことにこだわるのは愚かである。仕事を失って困っている人にまず救いの手をさしのべることこそ、労働組合の使命である。
労働者の間で助け合いをすることを通して、働く仲間という連帯感を作り出せば、労組が経営者や政府に対して要求を突きつける時にも、もっと大きな力を発揮できる。労働組合の存在理由が問われている今、組織を超えた連帯こそ求められている。
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