最近テレビをほとんど見なくなった。ニュースはNHKを頼りにしているのだが、NHKを見ていても時々局の見識を疑いたくなることがある。特に日曜日のニュースはひどい。以前、ガザ攻撃に関するイスラエル政府関係者へのインタビューについて、翻訳の字幕がまったくの間違いで、意味が分からないことがあった。後で間違っていましたとお詫びはあったが、結局あのインタビューは何だったのか、分からずじまいだった。ニュース編集者の基礎体力が相当低下していることがうかがえる。
1月25日の夜7時のニュースは、朝青龍の優勝をトップに据え、延々と関連情報を流していた。2番目に、京品ホテルの強制執行によって、自主営業を続けていた労働者が排除されたというニュースが報じられた。今の日本にとって、どちらのニュースがより重要か、担当デスクは判断できないのだろうか。
テレビ局は決して中立ではあり得ない。30分の枠内で何を報じ、何を無視するかという選択に、必ずその局の価値判断が現れる。相撲の話題をトップに据えたNHKの担当者は、目立ちたい一心で自ら朝青龍に優勝カップを渡した麻生首相と同程度の能天気さである。ニュースはワイドショーとは違う。報道機関としての矜持を取り戻してほしい。
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