二月一日、東京で若者と政治をテーマにした大きなシンポジウムが開催された。元文科省の寺脇研さんがコーディネーターを務め、学者、ジャーナリスト、政治家のおじさん、おばさんたちと、大学生を中心とする若者が、四時間にわたって、政治とどう関わるかを論じた。会の運営はNPO活動をしている若者が担ってくれ、会場には三百人以上が集まり、実に熱気のある討論会となった。
中で、最も感動したのは、病児保育に取り組んでいるNPOの若い指導者の話だった。政治が悪い、役所がとろいと文句を言っても始まらないので、まず自分で動いて目の前の困っている人に手をさしのべたと事もなげに言った。その身軽さがまぶしかった。
学力低下と言われるが、今の若者は私たちが若者だった時よりも、優れた能力をたくさん持っている。特に、人をつなぐネットワーク能力、実際に動くフットワークの良さは、素晴らしいと思う。
そんな若者に一つだけ注文があった。政治は頼りにならないと言っても、やはりみんなで監視し、注文をつけなければ、私たち自身が間違った政策によって苦しむことになる。身近なところで動き、そこで解決できない問題に取り組むために政治がある。社会活動と政治参加は車の両輪である。彼らの熱気をもってすれば、必ず政治を変えるだろうと思った。
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