西松建設の政治献金問題と検察の暴走について、本欄では何度か取り上げた。いささかしつこいが、どうしても言っておきたいことがある。
小沢民主党代表は、代表の座にとどまって、民主党の指揮を執るようである。小沢代表がそのように腹を固めたならば、それは1つの政治的判断である。検察と闘うためには、小沢氏が集めた政治資金が本来の政治活動のためにまっとうに使われたことを、丁寧に説明しなければならない。今私が小沢氏に望むのはそれだけである。
小沢氏の姿勢を見ると、彼の政治的師匠であった田中角栄元首相がロッキード事件の時に取った態度を思い出す。もちろん、2つの事件は性格を異にしている。しかし、二人はそれぞれの事件を検察の政党政治への介入と受け止め、全面的な対決の道を選んだ。
しかし、二人の時代は根本的に違う。田中の時代は、自民党による一党支配の時代であり、検察は野党の代わりに最も強いチェック機能を果たした。それが社会的にも支持された時代があった。しかし、今は民主党という政党を育て、政党同士によるチェックアンドバランスの仕組みを立ち上げようとしている、その瞬間である。だからこそ、今回の検察の強引な操作は、民主政治への介入という批判を集めるのである。政党政治のことは政党に委ねろと言いたい。
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