民主党にとっては激動の1週間だったが、最後は鳩山由紀夫新代表の選出に落ち着いた。この2か月の間、民主党はまったく活動停止の状態だったので、新代表の下で政権交代に向けた体制を早急に準備してほしい。
前回鳩山氏が代表を務めていた時に、雑誌の企画でインタビューしたことがある。わたしが、「鳩山さんは子どもの頃喧嘩をしたことがありますか」と尋ねたら、ありませんとの答えが返ってきた。当時の野党党首としての政府に対する追及の甘さは、育ちの良さに由来するのかと納得した気分だった。
政権を懸けた総選挙を目前にしたいま、そんな上品なことは言っていられない。今度の選挙は、民主党のみならず、国民にとって、いわば2005年総選挙に対するリベンジの戦いである。郵政民営化という単一争点で国民をたぶらかし、絶対多数を獲得した自民党は、その後後期高齢者医療制度の導入など、個人の生活と社会の土台を破壊する政策を次々と実行した。
鳩山代表は、政権交代を起こしたいなら、自民党によるリフォーム詐欺を追及する先頭に立ち、国民の怒りと憤りを結集しなければならない。財源がどうしたなどと技術的なことは二の次でよい。小泉以来の自民党政治が行った有害な政策を転換することを明確に訴えてこそ、野党第一党の党首である。
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