通常国会の会期末も近づき、政治家やメディアは総選挙の時期をあれこれ憶測している。麻生首相は政局より政策と言って、解散を先送りしてきた。しかし、その言い分が通用するのも、補正予算が成立するまでである。民主党も補正予算の成立には協力すると言っているので、この国会の仕事はそれで終わりである。
残り任期がわずか3か月の衆議院は、国民生活に大きな影響を及ぼすような政策を決定すべきではない。4年前に選ばれた衆議院は、約束違反とも言うべき政策を次々と実現し、首相のクビも3回もすげ替えた。民意から乖離してこれほど好き放題をした国会も珍しい。
過去4年間の政府与党の行状を国民の前に明らかにし、国民の審判を受ける時である。これからの日本を立て直す大きな政策課題には、現在の民意を代表する新しい衆議院が取り組むべきである。
7月のサミットの直後に解散し、8月9日投票という政治日程が囁かれていたが、鳩山民主党の支持率上昇に恐れをなして、選挙をさらに先延ばししそうだという声も聞こえてくる。そんなことをすれば、麻生首相は臆病者として後世に名を残すことになる。
ただ選挙準備のためだけに活動する代議士や公設秘書に7、8月分の給料を支払うのも、納税者にとってはばかばかしい話である。
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