新聞、雑誌で政治批評を書くようになって20年近くになる。私は一貫して、政権交代を主張し続けてきた。別段、自民党が憎いからではなく、自民党に代わる政権政党がなければ、日本の民主政治は未完成のままだと言いたかったのである。その私でも、今の自民党にはしっかりしろと言いたくなる。
自民党が結党以来、半世紀以上も日本を統治してきたことには、それ相応の理由があった。責任感を持ったリーダーが国のことを考えて行動してきた。権力の座にしがみつく政治家も多かったが、日本を担うのは自分たちだけだという自負心が、自民党の誇りを支えていたはずである。
自民党の古賀選挙対策委員長が東国原宮崎県知事に出馬要請をした時、民主党に政権を渡すわけにはいかないことを理由にしていた。しかし、なぜ民主党に政権を渡せないのか、一言も説明はなかった。タレント出身の知事を担ぎ出すよりも、自民党政権がこれから国民生活を立て直すために何をしたいのか、まじめに説明することの方が先ではないか。国民が自民党にまだ見所があると思えば政権は続くし、もうだめだと思えば政権交代が起こる。それが民主政治である。
自民党にもう一度プライドを取り戻してもらわなければ、日本の政党政治はどこまでも堕落する。
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