このところ改革派と呼ばれる知事の動きがあわただしい。知事が中央政治に対して政策を提案することは大いに結構だし、地方分権を進めるために、場合によっては支持政党を明らかにすることも、あってよい。
しかし、東国原、橋下といった人々の動きを見ていると、根本的な不信感をぬぐえない。地方分権をどこまで具体的に考え、まじめに追求しているのかがわからないからである。彼らはテレビで培った人気を武器に、選挙を勝ち抜いた。彼らの手法は極めてテレビ的であり、どういう言動、行動をとればテレビを占有できるかを第一の基準に動いている。問題を単純化し、大げさなものの言い方をし、断定口調で物事を裁断する。そうするとテレビが追いかけてくれる。
彼らの言う地方分権とは一体何なのか。テレビは当人たちに、一切そのような質問をしない。難しい質問をしないようにあらかじめ話がついているような印象さえ受ける。知事は大きな権力を持っている。テレビに出なくても、日々の仕事の中で中央官僚と闘うことはいくらでもできる。
東国原、橋本など、メディアの寵児となっている知事は、日ごろ地元で何をしているのだろうか。テレビも新聞も、彼らを政治再編の旗手として持ち上げる前に、まず知事としての仕事ぶりを検証してほしい。
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