長かった選挙戦も終わり、いよいよ投票日が来た。選挙の意義については既に私自身も論じてきたので、ここでは繰り返さない。1つはっきりしているのは、今回の選挙が、政権交代が起こるにせよ、自民党が奇跡の逆転を果たすにしても、日本の政治史上に残るものになるということである。
昨年11月のアメリカ大統領選挙の際に、市民が投票所の前に長蛇の列を作って、辛抱強く順番を待っていた様子をテレビで見て、歴史を作ることに参画できると感じることが、人々に大きな使命感を与えるのだと感心した。今度は、日本で同じことをする番である。
民主主義とは、国民の1票の積み重ねによって権力を作り出す仕組みである。国民の手によって勝者と敗者をはっきりさせる仕組みである。勝者は任期中国民から権力を預かり、敗者は次に向けて研鑽を積む。残念ながら、今までの日本ではそのことを実感する機会がほとんどなかった。
次の政権を誰が担うにしても、政策的な難問が待ち構えている。政治のドラマに酔っている場合ではないことは、百も承知である。それにしても、今日は、主権が国民にあるという民主主義の原理を、噛みしめたい。政治改革の実現から15年たって、ようやくまともな政党政治が実現したことを喜びたい。
読者の皆さんも必ず投票に行ってください。
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