鳩山新政権の滑り出しは上々のようである。政権交代が起こったのだから、行政府における政策転換に国民の注目が集まるのは当然である。しかし、もう1つ重要な課題がある。それは、国会の活性化である。
民主党は、今後法律を改正することで、約百人の与党議員を行政府に送り込むと息巻いている。政治主導にはそうした陣容も必要であろう。それにしても、三百人以上の議員が与党に残ることになる。これらの議員が国会という舞台で活躍しなければ、彼らを選んだ民意は政治に反映されない。与党の議員が法案採決の時に賛成票を投じるだけのロボットになっては困るのだ。
衆議院の新しい委員長人事を見ると、大臣になってもおかしくないような政治家が常任委員長に就任している。特に注目したいのは、鈴木宗男外務委員長である。刑事被告人が委員長に就くことに対する批判もある。しかし、私はあえて鈴木氏を委員長に起用した人事に拍手を送りたい。鈴木氏はあくまで国民から選ばれた議員であり、その限りでは他の議員と同格である。さらに、外交には造詣が深く、外務省改革や対ロ外交の進展について手腕を発揮することが期待される。鈴木氏には外務省に対する様々な思いがあるとは想像するが、私怨ではなく、公憤によって仕事を進めてほしいと切に願っている。
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