Globalization & Governance
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本当の危機これから 道庁の機能改革を
宮脇 淳
 
 

 道財政の本当の危機はこれから。道債償還額は2007年度がピークで、従来の予算編成手法では克服できない。道経済をいかに支えるかという点も留意する必要がある。

 道庁は「公共サービス提供を行政が独占すべきではない」との発想を持ち、政策構造の軸足を民間との提携に移すべきだ。それにより、道経済の活性化と独自の経営資源形成が出来る。単なる歳出削減ではなく行政と民間の機能分担を議論し、道庁の機能改革まで踏み込まなければならない。

 道庁は「道政府」であり破綻はありえないとの考えもあるが、市町村合併の次に来る道州制議論で、道庁主体の道政府を形成できる保証はない。本州ではすでに地方政府の主体を巡り国の地方機関と地方自治体の競争が生じている。

 道庁は北海道をどのような価値観の地域とし、いかなる役割を果たすかが問われている。来年度予算案を見る限り、資金繰りの危機感はあってもそうした実質的な危機感は見えない。現在の政策評価と予算編成などを通じた意思決定の「ものさし」の転換が必要だ。


(2002.02.21 日経新聞掲載)