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企画者:大島 梨沙(北海道大学大学院法学研究科 修士課程2年)

「婚外関係の多様化と法的保護のあり方〜自己決定を支える法の論理」

報告者:二宮 周平 (立命館大学大学院法務研究科教授)
報告者:渡邉 泰彦(東北学院大学大学院法務研究科助教授)
司会進行: 大島 梨沙(北海道大学大学院法学研究科 修士課程2年)
日程:2006年3月25日(土)3時から6時まで
場所:北海道大学 人文社会棟(文系新棟・W棟)3F W301号室

< 研究の目的及び研究会の意義 >

 近年、日本においては、婚外関係が多様化してきている。夫婦別姓の実践、戸籍制度あるいは婚姻制度に伝統的に浸透している性別役割分業への反発、制度にとらわれない自由な男女の結合への指向などから主体的に婚姻の届出をしないカップル、法的な婚姻が認められていない同性カップル、安定的で継続的な結合への意思が薄弱なカップルなど、一口に婚外関係といっても、様々な要因・形態が考えられるのである。従来の準婚理論による「内縁」保護では、もはや対処しきれないといえよう。
 本研究会は、多様化する婚外関係に対し、どのような法的対応が望ましいのかを探究することによって、カップルという個人にとって重要な人間関係の形成・維持・解消について、国家が介入すべきか、個人の自己決定に委ねるべきかという問題を検討するものである。
 二宮周平先生は、事実婚研究の第一人者であり、日本の非婚カップルの法的保護の研究にとどまらず、非婚カップルの社会的状況、非婚カップルの歴史、フランスの非婚カップルの状況などにも通じておられる。また、渡邉泰彦先生は、ドイツやスイスなどヨーロッパ諸国における同姓カップルによるパートナーシップの法的保護制度について研究しておられる。多様化する婚外関係の法的保護について、お二方のご見解をご教授いただくことにより、この問題に対する理解を深めることとしたい。また、修士論文においてフランスにおける非婚カップルの法的保護を検討した本研究会企画者が司会進行を務めることにより、本研究会において活発な議論が展開されることを目指したい。