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「大都市圏と地方における政治意識」世論調査報告
 

「ブレア時代のイギリス」

山口二郎

2005年11月18日発行
岩波書店

 
目 次
はじめに
第一章 ニューレーバーの政権前夜
1
コンセンサス政治の変容
福祉国家というコンセンサス/階級対立と政治文化
2
サッチャーはイギリスをどう変えたか
「不満の冬」からサッチャー政権へ/「冬の時代」の労働党/保守党政権の綻び/四連敗の中から
3
ブレア労働党の出発
ブレア党首の誕生/第四条改正問題/党改革を可能にした条件/新しい理念の彫琢
4
劇的な政権交代
ブレア政権の船出
第二章 福祉国家はよみがえったのか
1
福祉国家の現在
ホームページで見る福祉サービス/低所得層中心の減税/自立のための子育て支援/雇用政策の重視/医療改革
2
福祉から労働へ
福祉国家の新たな理念へ/「社会的排除」へのまなざし/「社会的包摂」と教育/働くための環境整備
3
教育立国の理想と現実
教育重視の姿勢/教育政策の光と影/二つの顔
4
繁栄と矛盾
繁栄するイギリス/格差と貧困
第三章 民主主義の危機と好機
1
民主政治の変質
大統領型首相ブレア/政党政治の衰弱/政治の人格化/演出されたブレア/「反既成政党」政治というパラダイム/新しい政治の危うさ
2
より多くの民主主義を
地方分権の成果/政府と市場と社会/スコティッシュ・コンパクト/市民によるまちづくり/多孔質な政治へ
第四章 ニューレーバーの外交政策
1
労働党政権の外交スタンス
イギリス外交の軸/ブレアの外交姿勢/英米軍事協力の進展
2
イラク戦争参戦とブレアのリーダーシップ
情報操作の中での参戦/参戦をめぐる三つの解釈/メディアの影響力
3
安全への全体主義?
国内治安対策と難民・移民制限/テロ対策と人権・自由
第五章 ブレア政治の旧さと新しさ
1
政治戦略の勝利
97年体制とビッグテント/保守党との同質化/保守党との差異化
2
新しい理念、「第三の道」の可能性
「第三の道」とは何か/(1)ニューレーバーの擁護論/(2)ニューレーバーの否定論/(3)現実的アプローチ/賞賛回避の理由
第六章 ポスト新自由主義時代の「左」と「右」
1
2005年総選挙を歩く
不人気な首相の勝利/ある集会の風景/三つ巴の選挙戦/「恐怖の政治」の挫折/マニフェスト選挙の虚実/二大政党制の終わり
2
アングロ・ソーシャル・モデルの可能性
リスクと政治的対立軸/リスク管理の方法―個人か社会か/新自由主義と「生存のリスク」/リスクの虚構と現実/左の可能性―平等のあり方を求めて/アングロ・ソーシャル・モデル/メリトクラシーと平等/社会民主主義の原点とは何か―ニューレーバーの課題
あとがきにかえて―日本政治はイギリスと化したか
議院内閣制のイギリス的運用/リーダーシップをめぐるチェック・アンド・バランス/「第三の道」の可能性