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「大都市圏と地方における政治意識」世論調査報告

 

2003年
01月08日(水)
公開シンポジウム「近現代日本の再構成―アメリカの日本研究からの問い―」
酒井 直樹●米国コーネル大学アジア研究科教授
ブレット ド・バリー●米国コーネル大学アジア研究科教授
 
ご案内 報告
●報告

 本シンポジウムでは、「近代日本」を改めて捉えなおす視角を如何に得ていくのかということを討論するために企画された。報告者は、国際的に活躍する日本研究者・酒井直樹教授(米国コーネル大学アジア研究科教授)およびブレットド・バリー教授(同上)で、それぞれ「多民族国家における国民主体のポエシス」、「テクノ・オリエンタリズム:W.ギブスン&D.クローネンバーグの文学」というテーマで報告をおこなった。コメンテーターは、植民地史研究の駒込武(京都大学大学院教育学研究科)、メディア史の佐藤卓己(国際日本文化研究センター)、法社会学の尾崎一郎(本研究科)が担当した。酒井教授は、戦前日本の「帝国」ナショナリズムにつき、特にそのマイノリティ包摂のありようを、台湾人作家の日本語作品における「日本人たらんとする姿勢」を縦軸に、他方で同じく戦時アメリカの日系人を描いた『ノーノーボーイ』を横軸にして比較的視点から描く。そこでは、歴史における優位者の抑圧的行為と少数者の屈辱と自尊心、「抑圧の委譲」からの自由などが指摘される。この議論は、『総力戦下の知と制度 1935-55年』(<岩波講座 近代日本の文化史7>、2002年)において酒井・駒込が位相を異にしながら論じた点である。ド・バリー教授は、映画・「M・バタフライ」に対する周蕾、またあるいは映画・「ブレードランナー」で注目された「テクノ・オリエンタリズム」などを取り上げ、昨今ではオリエンタリズム批判を吸収したアジア的他者の表象が様々なかたちで、たとえば敢えてレトロ・オリエンタリズムを身にまとい、アイロニー臭を感じさせながら現われてきているとした。これは9.11によって相当かわったとしながらも、昨今のアメリカのアジア的表象、日本のありかたを鋭く切り取った。両教授の報告は、既成の認識構造を脱構築し、新たな《日本近代像》を模索、他方で日本への眼差し・オリエンタリズムの変容を指摘した。グローバリゼーションの下にある日本の将来像、現代性のあり方について、会場からの関心も高く、多面的な議論が展開した。特にコメンテーターの三氏から各種各様の問題提起がおこなわれたことが印象的であった。駒込は、歴史学者的な観点から酒井の「歴史」「史料」の扱いに対して自らの心情を述べ、佐藤は自らのナチスメディア研究の成果からド・バリーの報告を相対化せんとし、尾崎は酒井とド・バリーの報告内容を図化できるほどに整理して見せた。アメリカにおける日本論がアメリカにおける思想潮流などの背景の下にあるとはいえ、日本における日本論に与える刺激は常に大きなものがあろう。

(川島 真)

 

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