講義・演習(2015年度) ※公式なものは北大シラバスでご確認ください。※休講情報はこちら

※ オフィスアワーは【1学期】毎週金曜日 15~16時、【2学期】毎週月曜日 15~16時(調整可)。
行政学政治学入門技術政策学公共経営事例研究行政学特殊演習演習Ⅱ公共政策特別研究行政学研究第二

1.法学部「行政学」(1学期:火4・金3) ※ 文学部「政治学(行政学)」と合併

●キーワード Key Words
・官僚制、行政制度、行政組織、行政活動、公共政策

●授業の目標 Course Objectives
・現代国家における行政の構造と機能について、様々な行政の制度、行政官僚制の特質、そして行政活動のメカニズムに焦点を当てつつ、意思決定論・組織管理論・政策分析論等の観点から考察する。
・また、政策の立案・執行・評価の各局面において生ずる課題、及び政策の実現を左右する要因についても検討する。

●到達目標 Course Goals
(1) 行政(学)の基礎と全体像を、その過去・現在・未来、制度・組織・活動の観点から、理論的・実践的に理解し捉えることができる。
(2) 現代日本の行政の特質を、歴史的な観点や国際比較の観点から捉えることができる。
(3) 現代行政の課題とその解決の方向性について、主体的かつ現実的に考えることができる。

●授業計画 Course Schedule
・本講義では、行政(学)の過去・現在・未来を、その制度・組織・活動という3つの観点から検討する。構成(案)は下記の通り。

序 章 はじめに
(1) 行政(学)とは何か
(2) 行政分析の方法・枠組み
(3) 行政(学)の歴史
第1章 制度論
(1) 政府の仕組み
(2) 政府間関係-国際・国内
(3) 立法・司法等との関係
第2章 組織論
(1) 官僚制・公務員制度
(2) 行政組織・管理論
(3) 行政改革
第3章 活動論
(1) 行政と社会の相互作用
(2) 行政の統制と責任
(3) 政策過程
終 章 おわりに
(1) 本講義のまとめ
(2) 行政(学)の展望
(3) その他

●準備学習(予習・復習)等の内容と分量 Homework
・予習すべき参考文献等を指定する場合もあるが、基本的には、講義に出席ししっかりとノートをとって行政学を習得してもらいたい。
・定期試験では、①講義内容をきちんと理解できているか、②それを受けて行政(学)に興味を持ち、③自分なりに考えを深められているかを確認する予定である。
・なお、任意のレポート提出を受け付け、平常点に加味する場合がある。

●成績評価の基準と方法 Grading System
・ 定期試験の成績を基本としつつ、平常点を加味して評価する。

●テキスト・教科書 Textbooks
・特定の教科書を指定することはせず、講義の中で参考文献を適宜紹介する。講義はレジュメ等の配布資料に沿って進めていく。

●講義指定図書 Reading List
行政学[新版] / 西尾勝 : 有斐閣, 2001, ISBN:4641049777
これは参考文献の単なる一例に過ぎない。他の参考文献は講義の中で適宜紹介する。

●参照ホームページ Websites
・講義の中で適宜紹介する。

●配布資料
毎回教室で配布します

2.全学教育科目「政治学入門」(1学期:木2)

※ 宮脇淳先生、辻康夫先生、中島岳志先生、小浜祥子先生、前田亮介先生、白鳥潤一郎先生と共同

●キーワード Key Words
・政治、行政、思想、アジア政治、日本政治、国際政治

●授業の目標 Course Objectives
・日々の生活を送る中で、政治は縁遠いもののように思えるかもしれない。しかし、政治は実際に私たちの社会や経済に大きな影響を及ぼしているだけでなく、日常のいたるところに存在している。
・この授業では、身近な話題や時事問題を手がかりとしながら、私たちの社会が今どのような問題に直面しているのか、政治にまつわる問題をどのように理解し、そして解決することができるのか、歴史、思想、社会科学といった各分野の専門家たちがオムニバス形式で論じていく。

●到達目標 Course Goals
(1) 政治学や政治史学の基礎的な概念や用語に慣れ親しむ。
(2) 時事問題やニュースについて基本的な知識を獲得する。
(3) 政治学や政治史学の基礎的な概念や用語を理解している。
(4) 専門的な概念・用語を用いて政治に関する事象を分析することができる。

●授業計画 Course Schedule
・この授業では、法学部政治講座の教授陣がそれぞれの専門分野について、オムニバス形式の講義を行う。授業の内容と担当者の予定は以下の通り。

・第01回 イントロダクション:政治とはなにか?(小浜祥子)
・第02回 政治をどのように「知る」か?(小浜祥子)
・第03回 国家とはなにか?どう生まれ、どう変わってきたのか(辻康夫)
・第04回 「自己責任」はどこまでおよぶか?:政府の役割と個人の責任(辻康夫)
・第05回 日本政治史の中の地方利益論(前田亮介) 
・第06回 第一次大戦後デモクラシー(前田亮介)
・第07回 安倍政権の経済政策とは何か…政治と経済・金融の関係を考える(宮脇淳)
・第08回 地方創生政策に必要な視点は何か…地方と国の政治はどんな関係にあるか(宮脇淳)
・第09回 「国際行政」とはどういったものか?(村上裕一)
・第10回 「国際行政」は国内行政にどう影響するか?(村上裕一)
・第11回 戦後日本外交を考える(総論)(白鳥潤一郎)
・第12回 戦後日本外交を考える(各論:第一次石油危機を題材に)(白鳥潤一郎)
・第13回 ガンディーと政治(中島岳志)
・第14回 アジア政治とナショナリズム(中島岳志)
・第15回 まとめセッション(小浜祥子)
・TBA   期末試験

●準備学習(予習・復習)等の内容と分量 Homework
・オムニバス形式の講義で授業内容が多様であるため、ノートや配布資料を参考に内容を毎週復習することが望ましい。教員により課題文献が指定されることもありうる。

●成績評価の基準と方法 Grading System
・期末試験(筆記)による。

●テキスト・教科書 Textbooks
・教科書の指定はなく、適宜、資料等を配布する。

●講義指定図書 Reading List
・図書の指定はなく、適宜、資料等を配布する。

●参照ホームページ Websites
http://www.juris.hokudai.ac.jp/

3.公共政策大学院「技術政策学」(2学期:月3)

※ 泉典洋先生、鈴木一人先生と共同

●キーワード Key Words
・科学技術、テクノロジー・アセスメント、国土開発、環境技術、エネルギー政策、自然再生エネルギー、海洋政策、沿岸防災政策、沿岸総合管理、インフラ整備、安全規制、技術基準

●授業の目標 Course Objectives
・文理融合型の公共政策大学院において、多様なバックグラウンドを持つ学生に対し、技術と公共政策の関係を学び、文系・理系の双方から公共政策上の課題に取り組み、問題解決能力を身につけることを目標とする。

●到達目標 Course Goals
・技術が公共政策にどのように貢献し、活用されているかを見るだけでなく、政治学・経済学的な観点から技術をどのように発展させ、活用して公共政策上の問題を解決していくのかを理解することを到達目標とする。

●授業計画 Course Schedule
・本講義では、公共政策における技術の位置づけと役割を明らかにし、技術政策を進める上でどのような要因が政策決定に影響し、またどのような技術革新が政策のあり方に変化を与えていったのかについて議論する。

・そのために、本講義では、まず技術政策や科学技術ガバナンスのあり方を理解するために必要な歴史的・制度的知識と分析枠組みを提示する。その上で、下記のような具体的な事例やテーマを取り上げて検討する(現時点での予定であり、変更があり得る)。

① 巨大科学技術政策:国家が主導する技術開発分野である宇宙開発や原子力などの巨大科学技術について
② 環境技術政策:環境問題が大きな問題となっている中で、再生エネルギー技術の開発やグリーン・イノベーションといった技術が公共政策に与える影響について
③ インフラ整備政策:公共政策の中核に位置するインフラ整備における技術革新がもたらす、公共政策上の問題解決について
④ 北海道開発政策:厳しい気候と環境の中で、北海道開発を進めるに当たり、どのような技術が用いられ、どのように問題解決がなされていったのかについて
⑤ 沿岸海洋政策:世界第6位の排他的経済水域(EEZ)の管理、津波等の沿岸災害対策等が重要な問題となっている中、海洋政策決定過程の紹介と最新の海洋政策動向、2011年津波災害以降の沿岸域の環境保全を含めた総合管理のあり方について
⑥ 先進技術の導入・普及政策:燃料電池自動車等の先進技術を社会に導入し普及させるに当たり、近年、中央・地方においていかなる動きが見られるかについて
⑦ 安全規制政策:私たちにとって身近な製品の技術基準がどのように策定され、安全規制が実施されているか。その仕組みとプロセスについて

●準備学習(予習・復習)等の内容と分量 Homework
・各テーマで事前に配布される資料を通読し、これに関する知識を事前に修得しておく。

●成績評価の基準と方法 Grading System
・各担当教員が提示する課題(レポート、発表会でのプレゼンテーションや討議等)の出来を、各担当教員が評価する。

●テキスト・教科書 Textbooks
・本演習の内容を網羅するテキスト・教科書はない。参考文献のリストは演習の中で配付する。

●講義指定図書 Reading List
・参考文献のリストは演習の中で配付する。

●参照ホームページ Websites
http://wwr5.ucom.ne.jp/yuichi/education2015.html#link3

4.公共政策大学院「公共経営事例研究」(2学期:火4・火5)

※ 石井吉春先生、小磯修二先生、笠松拓史先生と共同

●キーワード Key Words
・公共政策、行政経営、地方分権、地方自治、自治体再編、公民連携、地域経済、地域再生

●授業の目標 Course Objectives
・北海道および全国で展開されている先進的な行政経営や地域政策の事例について、文献・資料に加え政策担当者、ジャーナリスト、研究者などからのヒヤリングを通じて理解を深め、これらの政策に関する公共政策の特徴と課題を具体的に把握することを目的とする。

●到達目標 Course Goals
・個別の政策展開、さらには、行政経営や地域政策の今後のあり方に対する理解に加え、政策実施に際してのアカウンタビリティの確保方策についても理解し、政策立案・実施に向け必要となる問題認識を習得することを目的とする。

・このための到達目標として以下の段階を設定する。
第一段階:先進的な行政経営や地域政策の事例を踏まえたこれらの政策動向の把握
第二段階:こうした政策展開が求められる経済社会の変化に対する理解
第三段階:こうした政策の立案・実施に向けて必要となる問題認識の醸成

●授業計画 Course Schedule
(1) 本科目では、基本的に1つのテーマを受講者による演習(4講目)と、招聘するゲスト・スピーカーを中心としたワークショップ(5講目)の双方を通じて検討する。

(2) 昨年度の授業内容
01 ガイダンス
02 「持続可能なまちづくりに向けて」石原正敬(三重県菰野町長)
03 「日本の国際観光戦略」佐藤久泰(国土交通省観光庁国際観光課外客誘致室長)
04 「社会保障・税番号制度への自治体における対応」田中里沙(横浜市総務局しごと改革推進部しごと改革推進課社会保障・税番号制度担当課長)
05〜06 「十勝の持続的発展を考える」(現地視察)
07 「空き家問題を考える」米山秀隆(富士通総研経済研究所上席主任研究員)
08 「ODA事業を通じた地域企業の海外でのビジネス展開」二見伸一郎(JICA北海道市民参加協力課長)
09 「少子化問題を考える」山内昌和(国立社会保障・人口問題研究所人口構造研究部第1室長)
10 「里山資本主義」井上恭介(NHK報道局チーフプロデューサー)
11 「先進事例から考える公共施設マネジメントの実際」志村高志(秦野市政策部公共施設再配置推進課長)ほか
12 「福島原発事故と原子力規制改革」深見正仁(環境省長官官房秘書課長)
13 「国の行政評価・監視の現状と課題」生沼裕(総務省行政評価局評価監視官(農林水産・環境・防衛担当))
14 「地方財政制度の現状」今井太志(北海道大学高等教育推進機構特任教授)
15 「水道事業の民間化を考える」谷口淳(水みらい広島企画部総務・企画課長)

●準備学習(予習・復習)等の内容と分量 Homework
1、受講者は毎回の演習の参加に際して,あらかじめ指定された論文・参考文献を読み,それに対する見解・疑問点をまとめ,積極的な態度で授業に臨むことが求められる。
2、受講者は毎回,報告内容と自分の意見をまとめた短いレポートを提出することが求められる。

●成績評価の基準と方法 Grading System
・授業参加の姿勢(口頭発表、討論など),そして課題レポートの内容によって総合的に評価を行なう。受講者の単位取得に際しては,本科目でとりあげたテーマの中から論点を選択し,これに関するレポートを作成し,提出することが要件となる。レポート作成に際しては,有益な関連論文・資料にアクセスし論点を掘り下げるともに,自説を明確かつ論理的に整理することが期待される。

・単位認定に関する評価基準は以下のとおり。
1.事例として学習した先進的な行政経営や地域政策について理解している…可
2.1に加え、近年の行政経営や地域政策の政策動向についても理解している…良
3.2に加え、こうした政策の立案・実施に向けて求められる問題認識を体系的に習得している…優
4.3のレベルが特に優れている…秀

●テキスト・教科書 Textbooks
・本演習の内容を網羅するテキスト・教科書はない。参考文献のリストは演習の中で配付する。

●講義指定図書 Reading List
・参考文献のリストは演習の中で配付する。

●参照ホームページ Websites
http://wwr5.ucom.ne.jp/yuichi/education2015.html#link4

●備考
(1) 招聘するゲスト・スピーカーの都合等により、テーマや日程が変更となる可能性があるので、予め留意すること。
(2) 第1回目に詳しい進行予定表を配布し、内容や授業の方法、履修のルールを説明するとともに、各回の発表者を決定するので、受講予定者は必ず出席すること。やむを得ず出席できない場合は必ず事前に申し出るように。

5.大学院法学研究科「行政学特殊演習」(2学期:月5

●キーワード Key Words
・官僚制、行政制度、行政組織、行政活動、公共政策

●授業の目標 Course Objectives
・ 最近の行政学の研究論文(欧文・和文)を読み、独自の行政学研究に取り組む。

●到達目標 Course Goals
(1) 最近の行政学研究の動向を学習するとともに、検討すべき論点を抽出し、ディスカッションをすることができる。
(2) 先行研究の内容や方法を参考にしつつ、独自の行政学の調査・研究に取り組むことができる。
(3) 自分の調査・研究の成果を論文にまとめ、表現することができる。

●授業計画 Course Schedule
(1) 本演習では、まず、行政学研究の最新動向を把握するのに適した論文集(欧文・和文)を輪読する。採り上げる論文集の候補として、

'Public Administration Review'
'Public Management Review'
'Regulation & Governance'
'Public Administration'
'Policy Sciences'
'Journal of Policy Analysis and Management'

・『年報行政研究』
・『公共政策研究』

があり、受講者とも相談しつつ決定する。演習では、前半で担当者が論文の要旨説明と論点提示をし、後半でそれに関して受講者全員でディスカッションをする。

(2) その上で、受講者が、各論文の内容を参考にしつつ独自の行政学研究に取り組む。研究の内容は、担当した論文の内容に関する発展的考察でも、関連する研究論文の論評でも、関係する行政現象の事例研究でも、基本的には受講者の自由な発想に任せたい。担当教員からは、テーマの設定や関連する文献の提案、研究の方向付け等、可能な限りのサポートをしたい。

(3) 最終的には各自の研究の成果を10,000字程度の論文にまとめ、期限内に提出することを求める。本演習を通して、行政学の知見のみならず、自ら課題を発見してディスカッションし、自ら研究しその成果を表現する能力を会得できよう。

●準備学習(予習・復習)等の内容と分量 Homework
・まずは①自分の担当箇所の要旨説明と論点提示、②毎回のディスカッションへの参加、及び、③独自の行政学研究と論文執筆を求めるので、それに付随する予習・復習が必要となる。

●成績評価の基準と方法 Grading System
・演習への参加・貢献度と論文の出来を基本としつつ、平常点を加味して評価する。

●テキスト・教科書 Textbooks
・未定

●講義指定図書 Reading List
・演習の中で適宜紹介する。

●参照ホームページ Websites
http://wwr5.ucom.ne.jp/yuichi/education2015.html#link5

●主な成果
研究論文集

6.法学部「演習Ⅱ」(2学期:水5) ※ 大学院法学研究科「基礎法政論」と合併

●キーワード Key Words
・官僚制、行政制度、行政組織、行政活動、公共政策

●授業の目標 Course Objectives
・『政策変容と制度設計-政界・省庁再編前後の行政』を読み、独自の行政学研究に取り組む。

●到達目標 Course Goals
(1) 様々な観点から書かれた行政学の研究論文を読み、検討すべき論点を抽出し、ディスカッションをすることができる。
(2) 先行研究の内容や方法を参考にしつつ、独自の行政学の調査・研究に取り組むことができる。
(3) 自分の調査・研究の成果を論文にまとめ、表現することができる。

●授業計画 Course Schedule
(1) 本演習では、まず、様々な観点から書かれた行政学の研究論文をまとめた『政策変容と制度設計-政界・省庁再編前後の行政』を輪読する(初回にはまだ購入する必要はない)。同書の構成は、

第1章 統治機構――内閣主導体制の理想と現実
第2章 予算編成――首相主導への変化とその限界
第3章 総合行政主体――道州制論の可能性と限界性
第4章 統計制度――「司令塔」の設計と「省庁共同体」の持続
第5章 地球環境政策――温暖化対策の変容と政界再編・省庁再編
第6章 野生動物保護管理政策――1990年代以降の法制度の深化と実施過程における課題
第7章 景観政策――景観法は都市計画法制度を変えたのか
第8章 観光政策――反復する政策再編と組織の拮抗
第9章 原子力安全規制政策――戦後体制の修正・再編成とそのメカニズム
第10章 規制改革――分析のための試論
第11章 通商政策――韓米FTA交渉と日本FTA
第12章 医療政策――医療費抑制策の推進とその変容

となっている。演習では、前半で担当者が論文の要旨や参考文献との関係等について説明した上で論点を提示し、後半でそれに関して受講者全員でディスカッションをする。

(2) その上で、受講者が、各章の内容を参考にしつつ独自の行政学研究に取り組む。研究の内容は、担当した章の内容に関する発展的考察でも、関連する研究論文の論評でも、関係する行政現象の事例研究でも、基本的には受講者の自由な発想に任せたい。担当教員からは、テーマの設定や関連する文献の提案、研究の方向付け等、可能な限りのサポートをしたい。

(3) 最終的には各自の研究の成果を5,000字程度の論文にまとめ、期限内に提出することを求める。本演習を通して、行政学の知見のみならず、自ら課題を発見してディスカッションし、自ら研究しその成果を表現する能力を会得できよう。

●準備学習(予習・復習)等の内容と分量 Homework
・ まずは①自分の担当箇所の要旨説明と論点提示、②毎回のディスカッションへの参加、及び、③独自の行政学研究と論文執筆を求めるので、それに付随する予習・復習が必要となる。

●成績評価の基準と方法 Grading System
・ 演習への参加・貢献度と論文の出来を基本としつつ、平常点を加味して評価する。

●テキスト・教科書 Textbooks
政策変容と制度設計 : 政界・省庁再編前後の行政 / 森田朗、金井利之編著 : ミネルヴァ書房, 2012, ISBN:9784623063420

●講義指定図書 Reading List
・演習の中で適宜紹介する。

●参照ホームページ Websites
http://wwr5.ucom.ne.jp/yuichi/education2015.html#link6

●事前配布資料(要PW)
・ 資料はELMSを通じて配布する予定。

●主な成果
研究論文集

7.公共政策大学院「公共政策特別研究」(リサーチペーパー)

・赤坂憲一君「生活保護行政におけるケースワーカーの裁量」(ⅡB)
・O.M.さん「地域コミュニティにおける防犯のまちづくり政策」(ⅡA)

8.九州大学大学院法学府行政学研究第二」(2学期:集中)

●講義題目
・ 行政研究の方法と実践:新しい視点を持ってオリジナルな行政研究に取り組もう

●授業の概要・授業計画
(1) まず、行政研究の例として、各種規制と官僚制、国際行政と国内行政との関係について講義をする。

(2) (1)と併行して、行政研究やそれに関連する文献を講読する。取り上げる候補としては、

山崎幹根『国土開発の時代:戦後北海道をめぐる自治と統治』東京大学出版会、2006年
・ 魚住弘久『「我田引鉄」の終焉:北海道における特定地方交通線政策の展開過程を素材にして』東京大学都市行政研究会(研究叢書10)、1994年、
久米郁男『原因を推論する:政治分析方法論のすゝめ 』有斐閣、2013年
出雲明子『公務員制度改革と政治主導:戦後日本の政治任用制』東海大学出版部、2014年
・ 川人貞史『シリーズ 日本の政治1:議院内閣制』東京大学出版会、2015年、

がある(変更の可能性あり)。受講者を割り当て、文献の要旨や他の文献との関係等についての説明と論点提示をしてもらった後で、それに関して受講者全員でディスカッションをする。

(3) その上で、受講者には独自の行政研究に取り組んでもらう。研究の内容は、本授業で取り上げた文献の発展的考察でも、関連文献の論評でも、関連する行政現象の事例研究でも、基本的には受講者の自由な発想に任せたい。担当教員からは、テーマの設定や関連文献の提案、研究の方向付け等、可能な限りのサポートをしたい。最終的には各自の研究の成果を5,000字程度の論文にまとめ、期限内に提出することを求める。

●授業の進め方
・ 本授業は、上記の通り、(1) 講義、(2) 文献講読とディスカッション、(3) 個別の研究と意見交換、から成る。それらの時間配分に関しては、受講者の興味・関心によって柔軟に考える。

●教科書及び参考図書等
・ 本授業の内容を網羅する教科書はない。参考図書等は授業の中で適宜紹介する。

●試験・成績評価等
・ 試験は実施しない。本授業への参加・貢献度と論文の出来を基本としつつ、平常点を加味して評価する。

●その他
受講を希望される方は、遅くとも登録時までに、大学院での研究テーマと本授業で要旨説明・論点提示を担当したい文献を、担当教員(yuichim(at)juris.hokudai.ac.jp)までご連絡ください
・ 本授業を通して、行政学の知見のみならず、自ら課題を発見してディスカッションし、自ら研究しその成果を表現する能力を獲得することが期待される。
・ 本授業の関連情報は、ホームページ(http://wwr5.ucom.ne.jp/yuichi/education2015.html#link8)に掲載することがある。質問・コメント等は、遠慮なく、また事前・事後を問わず、担当教員(yuichim(at)juris.hokudai.ac.jp)まで。